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インサイド



ベッカムに恋して

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○ベッカムに恋して

監督 グリンダ・チャーダ
脚本 グリンダ・チャーダ 、グルジット・ビンドラ 、ポール・マエダ・バージェス


 …私なら絶対に映画館で言いたくない邦題です(「ネスタに恋して」なら買うんでしょうか、私)。 いや、いいですけど。原題も似たような感じですし。実際、ベッカムに恋して、彼女のストーリーは始まるわけですから。



 なんといっても、キーラ・ナイトレイ、ジョナサン・リース・マイヤーズの存在に驚きました。キーラが若いということは知っていましたが、こんな映画に出るくらい、若かったとは。…他の女の子に混じっても、彼女は美しいですね…。ほっそーい…。勿論、サッカーチームの女の子達全員が美しいのですが。
 そして、ジョニーの「女子サッカーのコーチ役」などという、かつてないほど爽やかな役…。この方はいつも出る映画出る映画、画面をぶち壊して進んで下さるので(いや、いい意味でですよ)、こんな普通の役をしてくれるとかなり驚きました。普通の役もできるじゃないですか。いつも小姑っぽい、主人公の苛め役とか、敵役とか、どうも冷たく見える外見のせいか、私が見る映画ではそんな役ばかりをされていましたので。しかしこんな美形な監督がいて、女子サッカーチーム内でチームワークが乱れないか心配です。

 ストーリーは、ロンドンに住む、インド系女子高生の主人公が、周囲の反対、自身の葛藤を乗り越え、女子サッカーの選手という夢に突き進んでいくという、青春映画。(途中、ジョニー演じるコーチとの恋愛も含む)

 しかし…母親恐るべし(笑)。どの世界でも、母親ってのは強い。しかも、主人公・ジェスはインドの家庭。女は料理と結婚が全てです。イスラムの男なんて選ぼうものなら、首切りの刑です(笑)。
 しかも、ジェスの姉さんが婚約するとのことで、周囲は大騒動中。
 しかし、ジェスは女子サッカーチームのジュールズ(キーラ)に誘われ、女子サッカーチームの入団テストに合格。彼女は親に内緒でサッカーを続けますが、やっぱりバレてしまいます。姉さんのような結婚を望む周囲は、彼女の気持ちなんか分からず、暴走する始末。
 それでも、それは彼らなりに、ジェスを守りたいだけなんですよね。
 ジェールズの母親も、娘が女の子らしいものに興味がないと不満タラタラ。
 彼女のために、可愛い下着を必死で選ぶ、母親の努力…。しかし彼女もまた思い込みが激しい方なようで、ジョニー演じる監督を巡って、ジェスとジュールズの会話を立ち聞きしし、何をどう勘違いしたのか、ジュールズがジェスに恋し、失恋したのだと思い込むのです(笑)。勿論、最後にはその誤解は解けますが、そのときの母親の台詞が最高でした。

「もし私レズビアンだったらどうなのよ!」と食って掛かるジュールズに、
「いいえ、全然大丈夫よ。これでも、昔はナブラチロワのファンだったんだから」
…可愛い母親だ…。

 姉の式は着々と進んでいきますが、その日は大事な決勝戦。スカウトの人もきてるのに…みんなは大丈夫かしら…ずっと悲しげな顔を見せる娘に対し、父親も「行って、姉の式に最高の笑顔を見せることができるなら」と出場を認めます。そうして出た決勝戦、彼女は見事スカウトを獲得!米国への留学を決めます。
 最後はベッカムもちょい出演し(勿論、ヴィクトリア付)、見事な大団円です。


 とにかく、皆が生き生きして、見ていて楽しいです。
 全編を通して、ぽっぷそんぐが鳴り響き、それを聞いているだけでも面白い。
 インドの結婚式がどんなものかも分かります(笑)。
 イギリス本国で、大ヒットを記録したというのも頷ける、良質の青春映画。
 サッカー好きな私は、別の意味でも興奮でした…。

 見終わった後、あったかい気持ちにさせてくれる一品です。
 
by azuki-m | 2006-01-11 01:16 | ■映画感想文index
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「私は、断固たる楽天主義者なのです」

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