インサイド



バッド・エデュケーション

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監督:ペドロ・アルモドヴァル
脚本:ペドロ・アルモドヴァル
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル 、フェレ・マルチネス 、ハビエル・カマラ 、ルイス・オマール 、ダニエル・ヒメネス・カチョ

 ペドロ・アルモドヴァルの作品。
 まさかこの方の感想文を書くことになろうとは思いませんでした(苦笑)
 アルモドヴァルの作品はですね…私には苦手な作品が多い(苦笑)。フランソワ・オゾンにも言えることですが、彼の作品には毒があるように思います。その毒にあてられて、いつも拒否反応を示してしまうのです。(しかし、この毒のおかげで、はまる人はものすごくはまってしまう監督。)
 そんな中で、私でもなんとか感想文を書けるだろうと思うのが、この「バッド・エデュケーション」と、「トーク・トゥ・ハー」でしょうか。
 うまく説明できないのですが、この映画は、「オール・アバウト・マイマザー」→「トーク・トゥ・ハー」→「バッド・エデュケーション」といった、一連の流れの最後に来る作品というか、アルモドヴァル作品ではおなじみの手法(様式?)が全て詰め込まれた作品なように思います。
 彼自身の経験が多分に織り込まれた、アルモドヴァル自身の自伝的映画とも言える作品。
 もっとも、彼は自分の映画に出る俳優とは寝ないと言っていますが。

乱暴に要約したストーリー:
若くして成功した映画監督・エンリケ(フェレ・マルチネス)は、自作の映画で何を撮るか迷っていた。そんな時、彼は少年時代、同じ寄宿舎で過ごした初恋の少年・イグナシオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)だと名乗る青年が、彼の前に脚本を持って現れる。その脚本は、彼らが寄宿舎で体験した出来事に基づいたものだった。その脚本に惹かれ、映画化したいと思うものの、エンリケはイグナシオのあまりの変わりように違和感を覚える。「きみは誰なんだ?」そんな疑問を抱き、エンリケはイグナシオの故郷へと出向くが、彼はそこで衝撃の事実を知る。


 一応、ミステリー仕立てのストーリーにはなっているのですが、全体的に少しバランスが悪いような感を受けました。過去のストーリー、現在のストーリー、劇中劇のストーリー。この3つは相互に絡み合い、リンクしているのですが、それらすべてを収めるには、時間的に少し難しかったかもしれません。劇中劇のモチーフはアルモドヴァルがよく使う手法なので、見慣れてはいるのですが、今回はその劇中劇がかなり長いパートを占めています。ただそれでも、展開としてはやや速い感じを受けてですね…。エンリケはこの劇中劇に惚れ込み、「自分の映画」として撮っているという設定なので、劇中劇自体の完成度が「?」という感を受けるというか(汗)
 謎解きのパートにあたる現在のストーリーも、ミステリーとしてこの映画を捉えるなら、こちらも少し物足りなさを感じるかもしれません。登場人物はみんなおもしろいので、余計に勿体無いというか…。私としては、現在のフアンとエンリケのストーリー、また二人の対決をもう少し見たかったような気もします。(映画最後の二人のやり取りには興奮したのですが)
 フアン(アンヘル・イグナシオ・サハラ)が「正体が誰なのかわからない」存在なので、エンリケと対峙するのが映画の作中、最後にしか回せないのだとは思いますが。


 なので、私にとって、この映画はストーリーを見るというより映像を見るための映画です。アルモドヴァルの過去の作品にも言えることですが、彼の色彩感覚が私はものすごく好きです。赤や緑、黄色といった原色をざっと画面に浮かべ、その色と色との対比がまた美しい。女優や俳優が着ている服も、たいてい原色の、華やかな服が多いです。また、それを生かすための照明も素晴らしい。どんな場面でも、絵になる映像を撮ってくれる監督だと思います。特に、この映画はどの場面を切り取っても写真になりそうなぐらい、映像がしっかりして、鮮やかで美しい。
 ですから、そんな映像に映える俳優たちも、アルモドヴァルはしっかりと揃えています。

 周囲はガエル・ガルシア・ベルナル一色でしたが、私にはフェレ・マルチネスが収穫でした…。(だからどうしてこう独自路線を行くのか、私は…)「オープン・ユア・アイズ」で見てはいるのですが(「トーク・トゥ・ハー」はカウントに入れず:笑)ここまでいいとは思いませんでした。
 しかし、ガエルが美しいのは前評判通りですね。
 ジャン・ポール・ゴルチェの衣装を着たシーンですが(そういえば、アルモドヴァルとゴルチェはお友達なんだとか。なんだか分かる気がします)、目を疑いました。…いい男というのは、女装しても映えるものなんですかね…(メイクさんグッジョブ)。「愛するものよ、列車に乗れ」で、ヴァンサン・ペレーズが女装した時も目を疑いましたが、それに劣らず美しい…。女として、どうしたらいいんですか、私は。


 蛇足ですが、この映画のチラシ、結構好きです。
 「究極の愛か、欲望か」。映画の内容と合っているかどうかはちょっとよく分からないのですが、デザインも派手でカッコイイ…。
 このチラシにつられて、映画館までふらふらと行ってしまったようなものです(笑)


☆ニューヨーク映画批評家協会賞外国語映画賞受賞


 …この間、あんな事を言ってしまったために(2月6日付けブログ参照)、後にひけなくなってきた・・・。とりあえず、「バッド・エデュケーション」を急遽アップ。
  次は「エドワードⅡ」か、「愛するものよ、列車に乗れ」か。「クリミナル・ラヴァーズ」というテもある…。いや、オゾンをアップするのであればそれよりも…とか、なんだか予定ばっかりが頭を駆け巡り、前に進みません。…もうちょっとお待ち下さい(泣)
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by azuki-m | 2006-02-08 12:55 | ■映画感想文index
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