インサイド



「マリー・アントワネット」

f0033713_21595053.jpg監督:ソフィア・コッポラ
脚本:ソフィア・コッポラ
出演:キルステン・ダンスト 、ジェイソン・シュワルツマン 、リップ・トーン 、ジュディ・デイヴィス 、アーシア・アルジェント 、マリアンヌ・フェイスフル 、

 いっそ映画ヒトコト感想文の方に置いてやろうかと思いましたが、せっかく久しぶりにアップする感想文なので。
 …えぇっと、さて。
 女性誌の注目度が、映画広報担当者もびっくりするというだけのことはある。
 なんというか、女性が好きなもの全部が入っているのですよね。
 ドレスにヘアースタイル、宝石に靴、お菓子にシャンパン。究極のセレブリティという、今女性が注目するものにものすごい焦点をあてています。
 なんだかそのあたり、女性の監督ならではというか、ソフィア・コッポラが好きに撮っているんだろうな、という感を受けます。(尤も、ヴェルサイユ宮殿を舞台にした映画は、美術さんの腕の見せ所というか、皆さん競って好きなように描いてますけど)
 確かに、ここに描かれている「マリー・アントワネット」像は今までの「マリー・アントワネット」像とは異なる、10代の、ただの女の子です。ちょっと可愛くて、お調子者で、誰からも好かれる健康的な女の子が、不幸にも(そしてその国の国民にも大変不幸なことに)王妃という立場についてしまいましたという。
 映画では、フランス国内の詳しい話はルイと大臣達の話でそれと分かるだけです。映画の主題はあくまで、宮殿の中に閉じ込められたマリーを中心に、話が進んでいきます。当然、ある程度の知識がある観客には、その籠の外で何が分かっているかを知っているから、ちょっと苦笑しながら見てしまうわけなのですが。10代の、何も知らない王妃。青春真っ盛り、反抗期真っ盛り。
 しかし、映画の中では、彼女を何も知らない、というか現実逃避しがちな王妃にしてしまったのは、夫にも原因があるように見せています。いくら迫っても、夫は自分に手を出さない。それなのに、故郷や周囲の貴族からは、早く世継ぎをとせっつかれる。ある日とうとうキレてしまった彼女は、浪費の日々に走ります。お菓子にドレスに宝石に靴、あげくはギャンブルに仮面舞踏会です。
 …でもわかるなぁ、その気持ち。女はストレス発散のために、買い物に走るのだ。でもそれを一国の王妃がやってしまうから、浪費の規模が違うんですよね。
けれど、民衆が詰め掛けてきた朝の食事の暗さと、それ以前の浪費の日々のギャップが物悲しい。

 映画は「マリー・アントワネット」なので、ヴェルサイユに来てからの彼女の生涯が中心です。…が、なんというか、かなり早足なので…。
 ですが、映像的には小物を見るのが楽しかったです。(それこそお菓子にドレスに靴に宝石。かなり現代的な、というかポップなデザインですが)
 お菓子の映像とかは非常に楽しかった。流石フランス!というか、宮廷時代のお菓子は、やはりあんな風にゴテゴテと飾り立てられるものなんですね…。あれだけ食べて、よく太らないな、あの王妃。(寝る前にモノを食べるなんて、超NGじゃないですか)
 しかし変な話、小物ばかりを映して、全体像が見えない感も受けますが。というより、本物のヴェルサイユを貸しきって撮影したせいか、逆に室内映像では宮殿の持つ豪華さ(或いは奥行き)が画面から今ひとつ伝わりにくい感じがする。よく見れば、それなりに豪華な調度品とかはあるんですけど、あんまり印象に残らなかったなぁ…。まぁ、コッポラ監督が意図していたのはポップな映像であって、重苦しい映像ではなかったのでしょうけど。室外に移ったときは流石ヴェルサイユ、空間の広大さはすごいと思うのですが。(でもやっぱり、映像は深夜と早朝が半分近く占めましたね。どうでもいいですが、ヴェルサイユの建物貸付料ってどれくらいなんでしょう…)
 …なんていうか。
 小物は小物であって、それをあまりに全面に出すぎてしまうと、映画全体が見えにくくなってしまいますね…。
 …正直、見終わった後、「映画」というより、「物語」としてどう見たらいいのか、困るところではありました。まぁ、マリー・アントワネットの生誕だったかなんだったか、そんなイベントに合わせて作られたんでしたっけ…?その辺はよく覚えていませんが、彼女を「一人の少女」として捉える事に成功した映画であることは間違いありませんね。それなりに楽しめる映画ではありました。ポップなデザインや音楽が好きな方にオススメ。ハジケすぎているわけでもなく、適度なポップさ、キュートさ(ドレスや画面の色彩に、薄くて淡い色が案外多い)。…ま、どうせならもっとハジケてみても面白かったかな、と思わなくもないのですが(汗)。これは後に公開される「さくらん」の画像と比べてしまうせいかしら。


蛇足ですが。
 この映画を知ったきっかけは、ソフィア・コッポラはルイ15世を、アラン・ドロンにお願いしようとしていたらしい、というゴシップを知ったからでした(汗)
 アラン・ドロンて。
 結局、彼女はドロンの新作舞台の宣伝に利用され(流石ドロンだ)、怒り狂ったそうですが。
 …やっぱり、アラン・ドロン。そしてそんな彼に目をつけたソフィア・コッポラもコッポラだ。すごい。

さらに蛇足。
 アーシア・アルジェントが怖かったです…。いや、こんなところで貴女を見るとは思いませんでした。
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by azuki-m | 2007-01-29 22:00 | ■映画感想文index
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