インサイド



「46億年の恋」

f0033713_23533683.jpg監督:三池崇史
出演:松田龍平 、安藤政信 、窪塚俊介 、渋川清彦 、金森穣 、遠藤憲一


 面白い作品です。
 …ですが、全体的に少しパンチ不足というか(汗)。
 パンチを期待する私が間違っているのかもしれませんが。

乱暴に要約したストーリー:
『ある日、収容所の一室で一人の囚人が一人の囚人を殺した。
「僕がやりました」。
被害者の名は香月。加害者の名は有吉。二人は殺人を犯し、同じ日に同じ収容所に入れられた。有吉は全面的に自分の罪を認め、他の囚人達も「香月を殺せるのは、有吉ぐらいだ」と証言を続ける。
だが、彼は本当に香月を殺したのか?だとすれば、何故彼は香月を殺さなければならなかったのか?
捜査は進み、事件は意外な展開へ…』
という、ミステリー仕立てなお話。


 構造としては、特に斬新な手法を取り入れているわけではないんですが、やはりこうした撮り方・背景の設定は面白くて私は好きです。「マンダレイ」や「ドッグウィル」を見てはいないので、なんともいえませんが(ラース・フォントリアーは苦手ですー:泣)。舞台的な簡単な背景と、時折挟み込まれる粗いCG、アニメーション。そんな幻想的な世界である「監獄」の映像と、彼らの外の世界である現実の世界。なんだかこのごちゃ混ぜ感がホラー映画っぽくて面白い…。(ホラー映画って、一種のファンタジーでもあるせいか、映像的に面白いものが多いですよねー)
そんな幻想的で孤独な「少年院」は、舞台的な簡素な背景と照明が、二人の孤独(或いは所長の孤独か)を浮かび上がらせ、引き立ててます。
 でもあの「蝶」はあんまり好きではないかも(汗)。だって、あんまりに「らしすぎる」。耽美、少年のあやうさ、夢と現実の境目。「蝶」はある意味使い尽くされたモチーフでもあるので、それに敢えて挑戦するのって結構難しいと思うのは私だけでしょうか。

 というか、衣装がいいなぁ。引き裂かれたような、汚れた服なのですが、退廃さと色気があっていい。そこからのぞく体の線が最高です。この映画の中では、肉体そのものがその人を表してるんですね。時折香月の体に浮かぶ刺青は、彼が「男」であることを示しています。

 有吉の香月に対する執着、憧憬はよく分かるのですが(流石松田君…)、反対方向の香月から有吉への想いがちょっと伝わりにくい…。(「僕じゃ駄目なのかなぁ」「それくらい、僕にやらせてよ」。…この辺の台詞、ホントいいですね…)
 なぜ、彼が選ぶのが有吉でなければならなかったか?
 二人の視線が交錯する辺り、周囲から何もかもが一切消えた場面、その時流れた微妙な雰囲気が全てを語っているとは思うのですが、あまりに微妙すぎて…。

 幸村の退廃的でどことなくいやらしい演技もよかったです。独特の腐敗感。というより、この作品は囚人・所長・警察たち、登場人物たちが本当にいいですね。特に所長のあの奇妙な笑顔が怖い…。あれこそホラーだ(汗)。ものすごく優しい、ねっとりとした喋り方。不自然に語尾が上がるのも怖い…。

 冒頭部の男性のダンスもセクシーですね。この冒頭で、この映画に入れるか入れないか試されてる感じがしましたよ(汗)。
 香月の刺青と体もセクシーだ。その辺、安藤さんグッジョブです。

 安藤政信&松田龍平となれば、こうなるのか、といった映画。また、どの俳優も雰囲気があっていい。彼らを見るだけでも、この映画を見る価値はあると思います。
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by azuki-m | 2006-12-18 23:55 | ■映画感想文index
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