インサイド



そして幕は降ろされる。

 …イタリア、優勝してしまった…!!
 な、なんということでしょう。
 なんとなく予感はしてたけど、現実になるとは思わなかったよ!!

 フランス×イタリア。
 2つの国にとって、最高の舞台が整いました。
 フランスはこれで最後となるジダンのために、フランス国民のために。
 イタリアは不正問題で揺れるカルチョ(イタリアサッカー)のために、そのカルチョを愛する全ての人に、自殺未遂をしたペッソッタのために、そして何より彼ら自身のために。
 両チームとも、ものすごくまとまった、いいチームでした。
 いくらスター選手を連れてきても、チームとしてまとまらなければ意味がないしね。

 ブッフォン+カンナヴァーロを中心に、イタリアの守備はめちゃめちゃ固く、フランスといえどやすやすと閂は開けられません。
 本当にみんなすごかった。今大会、すごいすごいとしかいえないんだけど。人間、追い詰められると、ここまで強くなるものなんですね。

 しかしこの試合最大のドラマは、そうした試合の内容よりも、ジダンの退場でしょう。
 彼の退場はいろんなことを象徴しているようで、興味深い。
 誰よりも偉大な選手が、彼のために用意されたような最後の舞台で、有り得ない事件によって自分の選手人生に幕を引く。

 フランスがよく言われるように、洗練された優雅なプレイをするチームであるなら、イタリアはなんでしょう、とても現実的(狡猾、そして勝利に貪欲)なんですよね。
 イタリアはサッカーというものに対して、ものすごく冷静な態度を貫いているというか。
彼らはサッカーが人間によって行われ、人間によって作られるものであることを熟知しています。だからこそ、戦術を重視し、選手たちは見えないところで駆け引きを行い、反則すれすれのファウルを犯してでも相手選手を止め、そして同じく人間である審判すら利用する。
 その態度を汚いということは可能なんだけど、そこが彼らのサッカーというゲームをするうえでの前提でもある。

 マテラッツィがジダンに何を言ったのかは分かりませんが、あれはフランスとイタリアの、そんな違いから生まれた結果だったのかもしれません。
 最初のPKが大舞台に臨んだ審判の(人間ゆえの)過剰な反応だったとすれば、イタリアはそれを逆手にとり、審判を利用したわけです。
 …まぁ、マテラッツィという選手自身、審判から見えないところで相手に肘打ち・蹴り等々、かなり汚い、かつ挑発的なプレイをする人なので、何かおこるだろうなぁ、とは思っていましたが(汗)
 この大舞台で、あんなハプニングがあるとはちょっと予想外でした。
 多分、あの試合中ずっと、ジダンに対して何か言ってたんでしょうね。

 しかし、勝利の女神が微笑んでいたのはジダンであり、彼が去ったフランスに女神の用はないのです。
 彼の退場により、流れは確実にイタリアへ。
 最後のPKはほぼ運試しみたいなものですし、キープレイヤーがいなくなったフランスには為すすべはありません。
 逆にチームが一致団結しているイタリアは、5人全員が決めて見事に優勝。
 カンナヴァーロがカップを掲げた絵には、ものすごく感慨深いものが。
 あのマルディーニからキャプテンマークを譲り受けたときはどうなることかと思いましたが。
 生ける伝説・マルディーニですら成し遂げていないことを、彼らはやってくれました。


 表情のあんまり動かないピルロが大口開けて笑ってたり、今回は怪我で後半を棒に振ったネスタの笑顔や、カップを離そうとしないインザーギだとか、みんながあんまり嬉しそうで、ちょっと泣けました。今回の大会が「最後だ」という選手が多くて、泣けてきちゃうんですよ。トッティは代表を引退することを宣言してるし(ネスタと同じ年でしょうが!)、あんなにいいプレイを見せたカンナヴァーロだって次はないでしょう。デルピエロだって無理だろうし、インザーギに至っては、そもそも今大会に出れたのが奇跡です。

 勿論、ピルロやジラルディーノといった若手は着実に成長していますし、次の世代を見るのが楽しみではあります。でも、どうだろう。ピルロはともかく、他の若手はまだドイツのポドルスキやシュバインシュタイガー、ポルトガルのクリロナほどの度胸は育ってない気がする。例外はカッサーノかもしれませんが…しかし、彼はまだ国の代表にはなれないだろうし。

 他国でも、ベッカムのキャプテン引退にはちょっと驚きましたし、ポルトガルのフィーゴたち、フランスのジダンたち、彼らの世代は確実に今回で引退です。
 クロアチアだって、プルショは代表引退。次の若手はまだまだ不安です。日本からは中田がチームを去ります。

 なんだか、確実に一つの世代が終わってしまったな、という感じがあります。
 舞台が終わると同時に、現実を見せられてものすごく寂しい。
 次の4年後はどうなるんでしょう。


 しかし、とりあえずは、皆さん、お疲れ様でした。
 そして、ありがとうございます。
 日本とクロアチアは一回戦敗退でしたが、充分に楽しいW杯でした。
 イタリアの活躍が本当にすごくて、嬉しかったですし。
 前回のドイツといい、今回のイタリアといい、好きなチームが決勝まで行ってくれて、私は幸せもんです(笑)。



 どうでもいいですが。
 …このW杯の間中、ピルロの目が開いていてびっくり。
 いつも眠たそうな半眼なのに…!!
 やるときはやる男なんです、ピルロ。
 …ガッツともども、マンUなんていかないで下さい…!!
 チームが崩壊してしまう…!
 裁判の行方が怖くて仕方がないです。選手たちはどうなっちゃうんだろう…。
 これに乗じてイタリアの選手たちに高額のオファーを出してるイングランドやスペインのチームにはかなり複雑な気分です。仕方がないのは分かっていますが…。



 そして、同じくウィンブルドン決勝。
 フェデラーーー!!!
 さすが、芝の帝王の名は伊達じゃありません。
 第一セットは正直、怖かったです。
 ナダル相手に6-0って。芝での彼の実力には恐ろしいものがありますね…。
 でもナダルも急成長していて、来年はどうなるか分かりません。
 …すごい選手たちです。
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by azuki-m | 2006-07-11 03:21 | ■W杯の思い出
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「私は、断固たる楽天主義者なのです」
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